マンガ「銀の匙」

「鋼の錬金術師」で有名な女性漫画家、荒川弘(あらかわひろむ)が生んだ「銀の匙」は、北海道の「大蝦夷農業高等学校」を舞台にした学園マンガです。 有名な中高一貫の進学校に通っていた主人公の八軒勇吾が、激しい競争に敗れ、家族ともうまくいかず、全寮制のこの高校に入学します。 畜産などの特別な授業、家畜の世話、馬術部などの慣れない生活に、サラリーマンの家庭に育った主人公が、必死に食らいついていきます。 しかし、そんな苦しいことだけではなく、頑張った分だけ楽しいことや嬉しいことも経験していきます。 個性豊かなキャラクターの周りの仲間たちも、話を盛り上げていきます。

このマンガの特徴は、北海道独特の大自然と、都会では経験できないゆっくりとした時間の流れを味わえることです。 複数のイベントが同時に発生することがほとんどないわかりやすいストーリーは、登場人物にも感情移入しやすく、セリフ過多でないところも読みやすさのポイントです。 自家製の食べ物が、本当に美味しそうに見えるくらいきれいな絵のタッチは、現実味があります。

このマンガは、面白いだけではなく「いずれ殺してしまう豚をどんな気持ちで育てるのか」というような様々なことを考えさせられるシーンが登場します。 普段何気なく食べている肉も、動物が犠牲になってくれた証であり、感謝していただかなければいけません。

実家の借金が原因で離農が決まった駒場の中途退学、大学卒業を条件に馬の仕事に就くことを認められた御影など、クラスメイト達も人生を悩みながら前向きに進んでいきます。 そんななか、進路を決めかねる八軒は果たしてどのような道に進んでいくのか、今後の展開に目が離せません。

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